「金」獲得が至上命令
アイスホッケーが国技のロシアでは、ウラジーミル・プーチン大統領(61)が1次リーグの米国戦から会場に姿を見せて強い関心を示し、金メダルはいわば“至上命令”だった。にもかかわらず、メダルにさえ届かない準々決勝敗退。冬季競技を統括する大統領府のウラジーミル・コジン総務局長は「輝けるスターはいるが、組織がなかった」と、国民の失望を代弁した。
ロシアは今大会、プーチン大統領の大号令で多額の強化費を投下し、環境整備、選手強化を推し進めた策が奏功し、19日までで金メダル6個、総メダル数では22個を獲得。金メダル数で史上最低の3個に終わった前回のバンクーバー五輪から復調傾向にある。しかし、ロシアには「アイスホッケー男子が金メダルを取った五輪は勝利」という言葉がある。裏を返せば、どれほど多くの金メダルを取ろうとも、アイスホッケー男子が優勝しなければ、その五輪はロシアにとって「負け」なのである。