ソチ冬季五輪第13日の2月19日はフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で、前回バンクーバー五輪2位の浅田真央(23)=中京大=がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の失敗などで55.51点の16位と出遅れた。
SPまさかの16位
「自分のやるべきことをやる」-。SPでまさかの16位、厳しい現実を前に、浅田は改めてこの言葉をかみしめていた。2011年12月9日に急逝した最愛の母、匡子(きょうこ)さんと交わした約束だった。
「ママは頑張れなかった」。飛行機が成田空港に到着してすぐに確認したメールに父、敏治さんから悲報が届いていた。2週間後の全日本選手権。浅田は欠場することなく、リンクに立った。2年ぶり5度目の優勝。このときも匡子さんとの約束を果たそうと必死だった。銀メダルに終わったバンクーバー五輪の雪辱を期し、トリプルアクセルを含め、全てのジャンプを見直すため、佐藤信夫コーチに師事。生前の匡子さんが「何とかしてやってほしい」と頼んでいたからだ。