通所施設「地域作業所_hana(ハナ)」では利用者たちが幾つもの工程に分かれて製作に励む。「こんなに明るく活気に満ちた作業所は初めて」と、作家の天童荒太(てんどう・あらた)さん=2014年2月7日、千葉県木更津市(瀧誠四郎撮影)【拡大】
≪NPO法人「NP」と通所施設「hana」の取り組み≫
いいものを作れば、給料(工賃)があがる-。月額平均約1万3000円(厚労省調査)という障害者の作業工賃の低さが問題となる中、そんな当たり前のことに取り組む2つの団体がある。「NEWSED PROJECT(ニューズドプロジェクト、以下NP)」(東京都千代田区)は、廃材を利用したデザイン雑貨やアクセサリーなどのブランド「NEWSED」を展開するNPO法人。製品の生産拠点は精神や知的な障害を持つ人を中心にした通所施設「地域作業所 hana(ハナ)」(千葉県木更津市)だ。ハナの利用者のうち、フルタイムで作業する人の月額平均工賃は2万~3万円。月によっては最高で10万円を超える利用者もいる。高い工賃を実現させている秘密とは。作家、天童荒太(てんどう・あらた)さん(53)が訪ねた。
≪質を落とさずに工程分解 単価UP実現≫
車のシートベルトは蝶(ちょう)ネクタイ、学習塾の机はラウンドテーブル。書類フォルダーは、なんと東京ドームの天井などにも使われるテント生地だった-。