通所施設「地域作業所_hana(ハナ)」では利用者たちが幾つもの工程に分かれて製作に励む。「こんなに明るく活気に満ちた作業所は初めて」と、作家の天童荒太(てんどう・あらた)さん=2014年2月7日、千葉県木更津市(瀧誠四郎撮影)【拡大】
第1号の商品は、英字新聞を使った新聞バッグ。当初は別の福祉作業所に発注していたが、この商品がハナとの出会いを引き寄せた。「生産拠点となる作業所を探していたところ、ハナも独自に新聞バッグを作っていて、知人から紹介されたんです。ハナが作った新聞バッグを見て、クオリティーの高さに即座に製作をお願いしようと思った」と青山さん。
当時はハナも設立されたばかり。代表の筒井啓介さん(33)は「安い仕事を積み重ねても、どうしても工賃には反映されない。単価が高く、安定して仕事を受注できるNEWSEDの仕事は、渡りに船だった」と振り返る。
全部できなくてもいい
単価が高い仕事には、クオリティーの高さが要求される。それを可能にしたのは、徹底して工程を分解することだった。例えば新聞バッグなら底に入れる台紙を切ったり、取っ手を付けたりと15もの工程がある。「全部ができなくても、1つの工程ならできる。全ての人が、どこかに関われるようにする」。パートナーシップが始まって6年目を迎えた今では、企画段階からNPのデザイナーとプロデューサー、NEWSEDのメンバーと、ハナの支援員とが会議することで、デザイン性が高く、かつ作りやすい商品を実現している。