ロマネ・コンティやシャトー・ペトリュスなど1本数百万円で売買されることもある超高級ワインの偽物被害が拡大している。フランス・ブルゴーニュ地方のワイン醸造家、ローラン・ポンソ氏(59)は独自調査を基に「競売に出ている超高級ワインの8割は偽物」と断言。生産者側はさまざまな対策を凝らしている。
数百万ドル荒稼ぎ
昨年(2013年)12月、米ニューヨークの裁判所で超高級ワインの偽物を製造、販売したとして米在住のインドネシア国籍の男(37)に有罪評決が下った。男は2000年代前半から1000本以上を製造し、数百万ドルを荒稼ぎした。
告発のきっかけはポンソ氏。08年4月、男がポンソ氏のワイナリーの銘柄約100本を計数十万ドルで売り出しているとの連絡を受け渡米。存在するはずのない年代のものがあり、偽物だと暴いた。
「大掛かりな不正」を感じ、世界の主要競売会社の過去20年間のワイン売買を全てチェック、各国で試飲会や競売を訪れた。約2年の歳月と私費12万ユーロ(約1690万円)を投じ、男を捜査していた米連邦捜査局(FBI)にも協力した。