今後、軍がどういった行動に出るかは予断を許さないが、「和平交渉が再開した場合に備え、軍は(交渉を有利に進めるための)強硬策をいつでもとれるという立場を示す狙いがある」(パキスタンの安全保障専門家)との見方もある。
一方、ロイター通信によれば、パキスタン政府高官は一連の攻撃について、アフガンのイスラム原理主義勢力タリバンの一派で強硬派のハッカニ・ネットワークが部族地域に逃げ込むのを阻止するため、駐留米軍と協力することを見据えたものだと明らかにした。
ナワズ・シャリフ首相(64)は昨年(2013年)6月の首相就任前から、タリバン運動との対話を掲げると同時に、米無人機による部族地域などへの空爆を強く非難してきた。しかし、政権発足から半年余りで、空爆によりテロに対抗するようになった。もはや、対話姿勢だけでは、事態を打開できないという結論にようやく行き着いたようだ。
和平交渉に応じつつ、テロ攻撃を仕掛けるタリバン運動の思惑について、パキスタンの政治評論家アキール・ユスフザイ氏は、「交渉を有利に運ぶため、政府側に圧力をかけている」とし、「昨年、アフガンにおいて、米・アフガン両政府とイスラム原理主義勢力タリバンとの交渉開始発表後にタリバンが取った(硬軟両様の)戦略の模倣だ」と説明した。