ホテルのフロント女性は「平均して20~30人のウイグル族が宿泊している。全員、長期滞在の人たちだ。でも事件の後、みんな荷物を部屋に残したまま、戻ってこなくなった」と話した。2日夜には、40~50人の公安関係者がホテルを訪れ、部屋をくまなく捜索していったという。
「宿泊者らが事件に関係があったのかは分からない」とフロント女性も困惑している様子だった。ウイグル族の宿泊者が、公安当局に拘束・連行されたのか、自発的に姿を消したのかは不明だが、大樹営地区に滞在するウイグル族の間に、不安が広がっているのは事実だ。
早く帰りたい
今年1月、新疆ウイグル自治区からやってきたという51歳の宝石商の男性は、「ウイグル族というだけで、公安当局の取り締まりが厳しくなった。商売にならない。できるだけ早く新疆に帰りたい。大樹営地区には70~80人のウイグル族がいるはずだが、多くが数日の間に新疆に帰るようだ」と嘆いた。(昆明 川越一/SANKEI EXPRESS)