米国・首都ワシントン【拡大】
米国ではここ数年、中絶への規制を強める動きが続いている。非営利団体(NPO)「ガトマカー研究所」によると、米国内では13年、22州で70件の中絶規制が発効した。過去最高だった11年の92件に次ぐ件数で、35件以下で推移していた10年以前の水準から大きく伸びている。
規制内容は妊娠22週目以降の中絶禁止や医療保険の適用除外など。テキサス州で昨年(2013年)7月に決まった中絶措置を行う医療施設に大病院並みの設備基準を求める規制強化では、既存の施設の多くが閉鎖される事態も起きている。
背景に共和党の躍進
規制強化の背景にあるのは10年の中間選挙で、保守層の支持を受ける共和党が躍進したことだ。知事が中絶反対を表明している州の数は21から29に増え、知事と議会の両方が中絶に反対する州の数も10から15に増えた。
こうした流れを受け共和党は改めて中絶反対の立場を強調し始めている。共和党全国委は1月24日、中絶問題への積極的な取り組みに関する決議文を採択し、「共和党は、これから生まれる生命のために誇りをもって立ち上がる」と宣言。「女性の権利を軽視している」との批判に対し、生命尊重の宗教・倫理的な観点から論戦に挑む考えだ。