米国・首都ワシントン【拡大】
米国では1973年1月、連邦最高裁判所がロー対ウェイド事件で、憲法は女性が中絶を選ぶ権利を認めていると判断した。それでも中絶の是非をめぐる議論が続いているのは、最高裁は胎児が母体の外でも生存可能とみなされる場合は、州が生命尊重の立場から中絶を禁じることができるとの見方も示しているからだ。
さらに胎児が母胎外で生存可能となる時期には解釈の余地が残されており、州によっては妊娠初期であっても中絶を規制しようとする動きがある。ノースダコタ州では2013年3月、妊娠6週目程度で行われる胎児の心音確認後の中絶を禁止する法律が成立。アーカンソー州でも同じ月に妊娠12週目を過ぎた後での中絶を禁止する法律が成立した。
48%対45%、賛否拮抗
ただし法律に基づいた中絶に肯定的な「プロ・チョイス」の立場からは、中絶規制の強化の流れが強まっていることへの批判の声も上がっている。ノースダコタ、アーカンソーの両州の法律では、成立後すぐに違憲訴訟が起こされて法律は差し止めになった。背景には、経済力が十分でない若い世代の女性が意図せずして妊娠した場合、女性自身が学校に通えなくなるなど教育の機会が閉ざされることへの懸念などがある。