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【日本遊行-美の逍遥】其の六(吉野山・奈良県) 桜の下に積層する史実 (2/5ページ)

2014.3.5 12:40

金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊、金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)の中尊(釈迦如来)(井浦新さん撮影)

金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊、金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)の中尊(釈迦如来)(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 金峯山寺(きんぷせんじ)の仁王門の仁王像(井浦新さん撮影)
  • 吉野山では、下千本、中千本、上千本、奧千本と、4段階で桜が咲き進む(井浦新さん撮影)
  • 山上の金峯山寺(きんぷせんじ)からの美しい夕陽(井浦新さん撮影)
  • 吉野雛は、吉野山の工芸の一つ。桜の木を彫り、彩色した、立ち姿の雛人形(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)
  • 吉野山=奈良県吉野郡吉野町

 僕が初めて吉野山を訪れたのは、2009年の冬。車は雪でスリップし、人影も見えず、ひっそり静まりかえっていた。白い息を吐きながら、金峯山寺を目指す。3体の蔵王権現像は想像をはるかに越えた大きさで、凍てつく空気の向こうに、極彩色の青い顔が荘厳さを増していた。遠くから見ると優しい顔も、近づくと怒っている。両極の顔を持つ不思議な神だ。

 その後、僕の興味は、金峯山寺の塔頭である脳天大神(のうてんおおかみ)・龍王院へ向かった。金峯山寺から400段もある長い急な階段を下っていくと、空気が変わるのを肌で感じることができる。瀧の行場があり、神気漂う場所。そのときの空気が、胸の奥の方に今でも残っている。

 その年の4月、今度は春の吉野山を訪れた。冬に見た吉野山の姿とは異なり、山全体が桜色に染められ、こちらも元気になるほどの生命力にあふれていた。冬と春、桜の下に積層する史実の数々。表裏のせめぎ合う、一筋縄ではいかない場所だと感じた。

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