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【日本遊行-美の逍遥】其の六(吉野山・奈良県) 桜の下に積層する史実 (3/5ページ)

2014.3.5 12:40

金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊、金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)の中尊(釈迦如来)(井浦新さん撮影)

金峯山寺(きんぷせんじ)の本尊、金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)の中尊(釈迦如来)(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 金峯山寺(きんぷせんじ)の仁王門の仁王像(井浦新さん撮影)
  • 吉野山では、下千本、中千本、上千本、奧千本と、4段階で桜が咲き進む(井浦新さん撮影)
  • 山上の金峯山寺(きんぷせんじ)からの美しい夕陽(井浦新さん撮影)
  • 吉野雛は、吉野山の工芸の一つ。桜の木を彫り、彩色した、立ち姿の雛人形(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)
  • 吉野山=奈良県吉野郡吉野町

 ≪門戸開放 新たな文化生み出す境界線≫

 奈良や京都に都があった時代には、都の罪人は、吉野山を経由して、大峯奥駈(おくがけ)道を通って和歌山へと流刑されたそうだ。歴史上、かくも多くの人々が、なぜ吉野山を目指したのか。そのことで僕の頭はいっぱいになった。

 吉野の地を訪れて感じることは、弱き者、従わぬ者に対して、門戸が大きく開かれているという感覚だ。南北朝時代の戦に負けて、権力に屈服せざるをえなかったという、700年も前の記憶が、今も残っているのかといわれれば、それは僕の想像をはるかに超えてしまっている。しかしここに流れる空気が、寡黙で気高いことだけは確かだ。

 生命観に満ちた吉野山の桜も、実はこのまま放っておけば数十年後に枯れるといわれている。少しでも力になりたいと、僕も保全活動に参加しているのだが、その活動にしても、観光客への門戸を閉ざすのではなく、まずは来て感じてもらい、活動に参加してもらおうというスタンスをとっている。その根幹にある開かれた精神は、今も昔も変わらない。

吉野山 聖と俗、中央と外縁の境界線

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