【青信号で今週も】
がん治療は、医療の永遠のテーマです。がん細胞は、自分の細胞から生まれてきて秩序なく増殖し周りの臓器を侵食したり、転移した先の臓器を破壊したりします。私たちの命を脅かす存在となっていきます。
どの細胞にもテロメアと呼ばれる細胞の寿命を決める遺伝子が存在します。テロメアは、細胞が分裂するたびに減っていき分裂できなくなって寿命を迎えます。がん細胞は、テロメレースという仕組みを持っていて、テロメアを伸ばします。がん細胞は、テロメアが減らないため、無限に増殖します。
私たちの遺伝情報は、細胞の核に納められているDNAに全て記載されています。DNAは必要な部分だけ、RNAに写し取られます。RNAの生データは、意味のある遺伝情報に「翻訳」されタンパク質などが作られます。この遺伝子翻訳RNAとは別なタイプのマイクロRNAと呼ばれるものが発見されました。その後マイクロRNAが、さまざまな生命現象に関わっていることが明らかになってきました。マイクロRNAは、特定の遺伝子の読み取りを制御したり、RNAの働きを抑えたりして、遺伝情報の発現に微妙な調整を加えていたのです。