尖閣諸島や南シナ海への影響も必至だ。オバマ政権は「力による現状変更は認めない」と繰り返しているが、すでに中国は防空識別圏の設定で一方的に現状を変更している。軍事力を背景にした隣国への圧力に米国が何ら手を打たないことがクリミア情勢で明確となれば、中国が“次の一手”を打ってくる可能性は増してくる。
尖閣防衛の意思に疑問符
尖閣諸島はクリミア半島と異なり、日米安保条約第5条の適用範囲であり、米国に防衛義務が生じるが、それでもラックマン氏は、クリミアでさえ手をこまねくオバマ政権が、米国にとっては「地球の裏側の無人の岩」を守るため、本当に中国と対峙するのだろうかと指摘。世界第2位の経済大国で、米国債の保有高では世界最大の中国に対し、返り血を浴びることも恐れずに経済制裁を発動できるのかとも問いかけた。
保守系の米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイケル・オースリン日本部長は、さらに強硬だ。
3月5日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルで、プーチン政権への強力な対抗策を見いだせずに「減少するばかりの米国の信頼性は(中露の)攻撃的な日和見主義を扇動する」と指摘。尖閣諸島やスプラトリー(南沙)諸島で軍事プレゼンスを引き上げなければ、中国の威圧に日本や他国は抵抗しきれなくなると警告する。