実質輸出指数(2010年=100)と円相場(月ごとの12カ月移動平均)の推移=2001年1月~2014年、※日銀のデータから作成【拡大】
このシナリオは経済を攪乱(かくらん)させる。これまですでにみられるように、民間の建設業者は職人不足で公共工事の注文が一時期に集中しても消化できない。次に、大型補正を加えた15カ月予算ベースでみると、14年度の公共事業予算は1兆数千億円のマイナスで、年間ではむしろGDPを押し下げる要因になる。
政府や日銀は、米欧を中心にした景気の拡大が見込まれるので、輸出が次第に増えていくと期待する。仮に米欧の景気回復が持続したとしても、輸出は増えるだろうか。最近の民間機関の調査部門の大方の分析の答えは、はかばかしくない。最大の理由はリーマン・ショック後の世界景気を支えてきた中国など新興国の景気減速である。
さらに日本企業の多くはこれまでの超円高・デフレの間に海外の生産拠点を大きく増強した。すでに国内外の需要を賄うのに十分な供給能力があるので、国内で新規設備投資する必要性に乏しい。つまり輸出増も設備投資増も期待できないという見方が多いのだ。