実質輸出指数(2010年=100)と円相場(月ごとの12カ月移動平均)の推移=2001年1月~2014年、※日銀のデータから作成【拡大】
円安誘導が鍵だが…
グラフは日本の輸出と円・ドル相場の推移である。輸出を数量規模を反映する実質指数で見ると、アベノミクスによる円安効果にもかかわらず、伸びていない。ゴールドマン・サックス日本法人の分析では、11年から日本の輸出数量は減少に転じ、エネルギー資源の輸入増加と重なって、日本の貿易赤字は構造的であり、解消は困難という。
ただ、グラフに目を凝らすと、実質輸出は円相場の上下への振れよりも、水準によって決まるようにも見える。1ドル=110円から120円台の03年から07年にかけて輸出量は大きく増え続けた。この視点からすれば、1ドル=102~103円という程度の現在の水準では海外生産を減らして、日本からの輸出に切り替える可能性は少ない。つまり、もう一段の円安局面への移行が輸出増の鍵になる。円安誘導の決め手は日銀の追加金融緩和だが、今のところ、日銀は慎重な構えを崩していない。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)