プーチン氏は、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)がウクライナなどで影響力を増しつつあったことに危機感を抱き、巻き返しを図っていると考えられている。今回のクリミア介入で「ロシア民族の守護者」というイメージも打ち出したことで、低落傾向にあった支持率も70%超にまで上昇した。
政権は、米欧の打ち出した政権関係者の入国・入域禁止などの制裁が打撃にはならないと踏んでいる。だが、ロシア経済は昨年(2013年)、国内総生産(GDP)が前年比1.3%増にとどまるなど失速が鮮明だ。ロシアの銀行に対して決済制限などの制裁がとられた場合、資本流出が3カ月で500億ドル(約5兆700億円)にのぼるという、クドリン前財務相の試算もある。
経済の低迷傾向にクリミア介入が重なり、通貨ルーブルの対ドル相場は3カ月で1割近くも下落。通貨安による輸入物価の上昇など、国民生活への影響が表れるのも時間の問題だ。
今回のクリミア編入が、ロシア系住民を抱える旧ソ連諸国の警戒心を呼び起こすのは確実。旧ソ連諸国を統合して「ユーラシア連合」を結成するというプーチン氏の野望にも暗雲が広がりそうだ。