「抗告は時間稼ぎ」
東京地裁が今回の開札やり直しを発表する直前まで、総連の執行部は「うまくいく」との認識を示していた。総連関係者によると、3回目の入札までに、再開した日朝交渉の中で、北朝鮮本国が日本政府に政治的決着を働きかけるとの期待があったという。が、民主党政権時代にはしきりに政治的解決を求めてきた北朝鮮は(3月)20日、中央本部問題で協議を荒立てることなく、局長級協議開催にあっさり合意した。交渉のテーブルに本部問題が上がる間もなく、立ち退きとなる可能性がある。
執行部にとって当面の懸案は、全国の朝鮮総連幹部が集まり5月下旬に開催予定の全体会議だ。本部問題で非難が集中し、許宗萬(ホ・ジョンマン)議長らの再選も危ぶまれるからだ。関係者の一人は「抗告したのも会議を乗り切るための時間稼ぎにすぎない。他に打つ手がないのが実情だ」と説明した。
■朝鮮総連 在日朝鮮人の権利擁護を目的として1955年5月に結成された。JR飯田橋駅から徒歩4分の場所に中央本部を置き、全国に地方本部がある。商工業者、女性、青年らの傘下団体が組織され、朝鮮学校とも密接な関係を持つ。最大拠点で競売対象の中央本部は、土地約2390平方メートルと地上10階、地下2階建てのビル(延べ床面積約1万1740平方メートル)から成る。