北朝鮮では国民の髪形に関し、男性が10種類、女性も18種類に制限されているという。特に男性の長髪は厳禁。2005年には「非衛生的かつ反社会主義的なうえ、脳神経への酸素供給を妨害し、脳の活動を阻害する」と長髪を敵視し、「社会主義的な生活スタイルに合わせて散髪をしましょう」とのスローガンを掲げた愛国キャンペーンが展開された。
高齢者を除き、髪の長さは「5センチ以内」と規定。違反者は国営テレビで氏名などを公表し、さらし者にする処分が科されたという。
「似合うとは限らない」
ただ、「元気カット」や「野望カット」と呼ばれ、嘲笑の対象になっている金第1書記の髪形への統一令にはさすがに不満も出ているようだ。「われわれの指導者の髪形はかなり特殊だ。顔や頭の形はみんな違うから、あの髪形がすべての人に似合うとは限らない」。BBCは、匿名の国民がラジオ・フリー・アジアに語ったこんな声を紹介した。また、韓国紙コリア・タイムズは、「2000年代中盤まで、あれは中国密輸者の髪型と呼ばれていたんだ。北朝鮮でも人気がない」という中国に住む脱北者は本音を伝えた。