メキシコ移民局の統計によると、メキシコ国内の移民もスペイン人でなく、アメリカ人が一番多く、そのうち退職した人々が約半数を占める。世界遺産の都市、サン・ミゲル・デ・アジェンデは、年金暮らしのアメリカ人が多い街の一つとして有名だ。街では白人の年配者をよく見かけ、西洋風のおしゃれな店舗が目立つ。
街は外国人の受け入れ体制が整っており、アメリカ人を中心として経済が回っているといっても過言ではないと思う。地元の人によると、高級住宅街には、アメリカ人が多く住んでいるという。「これではまるで市民レベルの植民地のようだね」と皮肉まじりに言うと、「彼らが雇用を創出している面もあるから、地元のメキシコ人にとってはありがたいこともある」と、現実的な答えが返ってきた。(写真・文:フリーカメラマン 緑川真実(まなみ)/SANKEI EXPRESS)