うんちく一切なし
物語にリアリティーを生み出しているのが、香住のキャラクター。「とにかくまじめな男」と土山さんが言えば、久住さんも「若いめいにスキヤキをごちそうする話があるんですが、めいの顔は描かれていない。きっと、若い女の子の顔をまじまじと見られる男じゃないんだろうな(笑)」。まじめに生きてきた男だからこそ、少しずつ“ひとり飯”の世界へと歩み出していく姿が、いじらしく、そしてかわいくすら思えてしまう。
今回登場するのは、町の食堂や居酒屋といった身近な店ばかりだ。「高い店に入ると逆に緊張しちゃうし。うんちくは一切ないです」(土山さん)
焼きそばのソースの香り、タンメンの野菜の食感と、五感を刺激する描写の数々。実生活でも食いしん坊の2人だけに、「描いていて食べたくなって困った(笑)」(土山さん)という。スキヤキ、アジの開き、麦とろ飯…。読んだら、食べずにはいられない!(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)