天皇、皇后両陛下ご臨席の下で開かれた主権回復記念式典で式辞を述べる安倍晋三(しんぞう)首相(左)=2013年4月28日、東京都千代田区永田町の憲政記念館(栗橋隆悦撮影)【拡大】
にもかかわらず、今年は「高度に政治的判断」で式典を見送るというのでは、去年の開催は拙速だったと、仕掛け人の議連自ら認めるようなものではないか。4月28日の主権回復の日を「屈辱の日」だと受け止めている人たちの誤解を強めることにもなりかねない。せめて議連単独の集会を企画し、主権回復の日の意図を改めて説明すべきだろう。
自民党が再び政権に返り咲くことができた理由の一つは、無責任に聞こえがよい政策を掲げ、実現できずに言い訳する政治に有権者が失望したからだ。当座の選挙に影響するからといってあっさり自説を棚上げするような老獪(ろうかい)な政治手法は聞こえがよい話を並べるのと同じように不誠実というものだ。(佐々木美恵/SANKEI EXPRESS)