政府の対策本部は20日、事故当時の海上交通管制センターと船の交信内容を公開。センターが「船長が判断して脱出させて」と促すなどの生々しい状況が記録されていた。交信は約30分後に途切れ、船員らが乗客の救護を放棄し、先に脱出した様子もうかがわせた。
船長ら乗務員の責任感のなさや難航する捜索、韓国政府の発表内容が次々に変わることなどに、行方不明者の家族らは怒りを募らせている。(珍島=韓国南西部 加藤達也、ソウル 名村隆寛/SANKEI EXPRESS)
≪乗客捨てた「海の男」 救護放棄、いち早く脱出≫
過去に自衛隊が救助
韓国・珍島沖合で起きた旅客船「セウォル号」の沈没事故では、乗客ら300人以上が死亡、行方不明となる一方で、逮捕されたイ・ジュンソク船長(68)をはじめ、船の航行に直接関わる乗務員は全員救助された。経歴の浅い3等航海士に操縦業務を任せ、乗客を見捨て、いち早く沈没現場から逃げた船長の無責任さに非難が集まっている。