台風など危険な時については、「人とはずる賢い。だが、危機を乗り越えればそんな思いは消える。それで私は今日まで船に乗っている」と、今回の対応とは正反対の話をしていた。
さらには、家族らと一緒にいる時間よりも船上にいる方が長く、「故郷を訪れる方々を船に乗せ、私の分も幸せな時間を客が家族と分かち合えるようすることに慰められている」「今日も明日も、私は船と一緒にいるつもりだ」と“海の男”ぶりを堂々と口にしている。
正月の紙面インタビューでは“海の英雄”扱いだが、海ほどには心の広い人物ではなさそうだ。救助後には、行方不明者の安否が気遣われる中、宿舎の部屋では、海水でぬれた1万ウォン札(約1000円)を何枚か、ひとり広げて乾かしていた姿が目撃されている。(ソウル 名村隆寛/SANKEI EXPRESS)