韓国・全羅南道の珍島(チンド)沖合で旅客船「セウォル号」が沈没した事故で、捜査当局は4月21日、遺棄致死などの疑いで航海士3人と機関長1人の身柄を拘束した。容疑が固まり次第、逮捕する。
韓国海洋警察などはこの日も、連日にわたる徹夜での捜索を続けた。21日午後、新たに23遺体が収容され、事故による死者は87人、行方不明者は215人となった。生存者は発見されておらず、事故発生から6日目が過ぎ、船内での生存の望みは薄れてきている。
当局は21日、海上と船内を結ぶ複数のロープを設置し、3階の食堂への進入ルートを確保。遺体は主に食堂から見つかり収容された。事故当時、食堂には修学旅行の高校生ら多数がいたとみられ、客室周辺と合わせて集中的に捜索を進めている。また、米国の無人探査機が21日から投入されており、潮流が速く視界も悪い環境で、捜索の効率化が期待されている。大型クレーン船を使った船体引き揚げに向けた準備を始めており、行方不明者の家族から同意を得次第、引き揚げ作業に入る。