「20年」という言葉を聞くと、すぐに思い浮かぶのは「失われた」という枕詞(まくらことば)である。バブル崩壊後の20年間、企業のリストラや生産拠点の海外移転の加速などに伴い、デフレ経済と低成長の負のスパイラルが国民生活に重くのしかかってきた。一時は「氷河期」などと呼ばれるほど若者の就職を取り巻く環境は悪化し、閉塞(へいそく)感がぬぐい切れない状況は今も続いている。
しかし、その中から起業をめざす若者らの胎動が形となり、ソーシャルベンチャーの起業や地域再生の取り組みなどを通じ、社会を変える種が次々にまかれてきたことも忘れてはならないだろう。
そうした若者らを育ててきた一つが、「ETIC.」である。1993年4月に起業家を目指す学生の勉強会からスタートしたETIC.は、大学生と企業、NPO(非営利団体)などをつなぐインターンシップ事業や社会起業家の創業支援を行ってきた。2011年の東日本大震災後は復興に取り組む現地の企業家や自治体のリーダーらを支える人材を供給する「右腕派遣事業」も展開してきた。ETIC.がこの20年間に支援してきた若者らは計8000人を数えるという。