【ウクライナ軍需産業】ドニエプロペトロフスク州、ハリコフ州、ザポロジエ州、ニコラエイフ州=2014年4月18日現在、※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
だが、米国が資産凍結などの制裁の対象としたのは、国外での知名度がほとんどない小規模な金融機関や企業にとどまった。本格的な経済制裁に慎重な欧州との調整不足から、ロシアの基幹産業を標的にした制裁措置も見送られた。ウラジーミル・プーチン大統領(61)の側近中の側近である国営石油会社ロスネフチのセチン社長も在米資産凍結や米国への渡航禁止の対象に。EUはワレーリー・ゲラシモフ軍参謀総長らを制裁対象に追加した。ただいずれも個人への指定で、EUは企業への制裁そのものを見送った。
「エネルギー企業や銀行への制裁を実行すれば、ロシアは失うものがなくなり、かえってウクライナ東部への侵攻の可能性が高まる」(英大手銀行)との見方もある。ただ、EUの慎重さの背景には、ロシアに代わる天然ガスの供給源を見つけるのが困難という事情もある。
毎月2兆円が国外流出
「われわれが結束するためには、外部から否定されているという心理を共有することが必要なのだろう」。ロシアのアンドレイ・ベロウソフ大統領補佐官(55)は28日、追加制裁の影響はあまりないとの認識を示した上で、難局が国を一致団結させると強がってみせた。