また米国の全人口に占める黒人の割合は約13%なのにもかかわらず、殺人事件の被害者では約半数を占めるという調査もある。これらのデータから浮かび上がるのは、失業などで貧困に苦しむ家庭で育った黒人の若者が適切な教育を受けられないまま、暴力的な事件に巻き込まれているという構図だ。
オバマ氏は(4月)10日の演説で、公民権法などによる改革こそが「私がここに立っている理由だ」と述べ、黒人大統領を選ぶまでになった米国社会の変化を強調した。しかし一方で、「人種は現在でも政治的な議論に影を落とし、不十分な政策も残っている」として、さらなる改革の必要性も訴えた。
偏見克服を訴える
オバマ氏は2月にも、人種間での学力格差の解消を目指すプログラムの立ち上げに際してホワイトハウスにマイノリティーの学生たちを招いて演説し、2人の娘を持つ父親としての心情を交えながら、「米国は学力格差の現実を常識として受け入れてしまっている」と現状を批判。昨年(2013年)7月にフロリダ州で黒人少年を射殺した男性に無罪評決が出た際には、「少年は35年前の私だったかもしれない」として、自分自身が人種差別意識にさらされた経験を語り、人種に対する偏見の克服を訴えている。