5月2日午後に起きたソウルの地下鉄2号線の追突事故で、乗り合わせた女性は韓国メディアに、脱出時の恐怖をこう話した。300人以上の死者・行方不明者を出した旅客船沈没事故の収拾すらできていない中で起きた公共交通機関の人身事故は、韓国の“安全”を再び大きく揺さぶった。
韓国の国土交通省や消防当局によると事故は午後3時30分ごろ発生。聯合(れんごう)ニュースによると、事故車両には約1000人の乗客がいたが、午後3時55分ごろ、全員が待避したことが確認された。ただ韓国メディアは事故直後に待避を呼び掛ける案内放送はなかったとする乗客の声を伝えた。
追突した電車はホームに入線直前で速度はさほど出ていなかったとみられるが、運転席の窓ガラスが割れ2両目と3両目の連結部付近が脱線。先行列車も最後部のドアが吹き飛んでガラスが割れるなど衝撃の大きさをうかがわせた。
直後の初動対応で後れを取ったセウォル号の沈没事故の失敗を繰り返したくない韓国政府は、国土交通省に中央事故対策本部を設置。地下鉄の重大事故時に発令する危機管理警報を「深刻」とするなどして「素早く、大きく構えることができた」(韓国メディア)としている。