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妖精たちが住む奇岩の森と空中散歩 トルコ・カッパドキア (3/5ページ)

2014.5.8 17:00

  • ターキッシュ_エアラインズA330(提供写真)
  • トルコ・カッパドキア

 洞窟教会と壁画

 次に訪れたのが、ギョレメ野外博物館。ギョレメとは「見てはいけない」の意で、宗教を禁止するローマ帝国に追われた修道士や修道女らが、紀元4、5世紀のころから洞窟を掘って教会や修道院をつくり、ひっそりと暮らしていたといわれている。このため、地質は掘りやすい火山灰であったそうだ。

 博物館の中に約15の洞窟教会や倉庫、食堂が残っており、教会には信徒が描いた壁画が大切に保存されている。中には、白ひげと乳房をたたえた不思議な像なども描かれ、神秘的な伝説に触れられる。洞窟に入ると夏場でもひんやりとするほどだ。博物館ではちょうど結婚式が行われ、花嫁衣装の新婦に出会えたが、「神聖な地で人生の門出を祝う若者たちも増えている」(オメルさん)という。

 気球から大パノラマ

 カッパドキア観光の呼び物といえば、気球に乗って大空から奇岩群を眺めるツアー。星空の美しい夜明け前に、定員20人の気球の籠に乗り込むと、パイロットのイスマイルさんが4つのレバーを器用に操りながらバーナーの火を調節し、ふわりと地上に浮かび上がる。大空高く舞い上がるとさすがに足がすくんだが、次第に高度を下げ岩山の谷に沿って奇岩や巨岩すれすれに空中を散歩する。白や薄いピンクの岩肌を眺めながら、大自然の威容に改めて感動する瞬間だ。そのうちに朝日が地平線を真っ赤に染めて顔を出すと心が洗われる。

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