さらに、4月28日号で「私も鼻血が出る」「福島では同じ症状の人が大勢いる」などとしていた福島県双葉町前町長の井戸川克隆(いどがわ・かつたか)氏が「今の福島に住んではいけない」などと発言する姿が描かれていた。
福島県は12日、「本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾」とするコメントをホームページに掲載。「美味しんぼ」と小学館の出版物について、科学的知見や丁寧な調査に基づいた偏らない客観的な表現にするよう、強く申し入れているとした。
佐藤雄平知事(66)は12日、講演のため訪れたさいたま市で取材に応じ、「風評被害を助長するような印象で、極めて残念」と批判。「福島に住んではいけない」とする記述などについては「今は福島県民が一丸となり、全国から復興を支援していただいている時で、このような雰囲気の漫画があって、残念で遺憾」と繰り返した。
大阪府と大阪市も12日、事実と異なるとして、小学館に抗議文を郵送したと発表した。橋下(はしもと)徹市長(44)は、「漫画なので基本的には自由だが、根拠のない話だと表現の自由の範疇(はんちゅう)外。取材が甘すぎるのではないか」と指摘した。