首相は今後、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の年末までの再改定をにらみ、与党協議を経て解釈見直しの閣議決定を急ぐ構えだ。ただ、公明党が行使容認に慎重な姿勢を示しているため、首相は「期限ありきではない」と改めて強調した。行使容認を争点にした衆院解散・総選挙の実施は否定した。
多国籍軍に参加せず
一方、法制懇が軍事措置を伴う国連の集団安全保障への参加について「憲法上の制約はない」と提言したことに対し、首相は「採用できない。自衛隊が武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することはこれからも決してない」と述べた。
首相は会見に先立ち、国家安全保障会議(NSC)を開き、基本的方向性を確認。報告書は集団的自衛権と集団安全保障、グレーゾーン事態について新たに6事例を列記した。
≪中国が警戒、韓国も反発≫
中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は5月15日の定例記者会見で、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認を柱とする報告書の提出を受けたことについて「歴史的要因もあり、日本の軍事領域での動向が地域の安全環境に影響するのは必至だ。中国を含むアジアと国際社会は、日本の真の狙いに対して強く警戒している」と述べ、警戒心をあらわにした。