イランの首都テヘランで、米歌手ファレル・ウィリアムスさん(41)の大ヒット曲「ハッピー」に合わせて歌い踊る動画をユーチューブに投稿した男女13人が5月20日、イラン警察に逮捕された。このうち出演した6人は21日に釈放されたが、動画を手掛けた監督は拘束中という。欧米では「楽しいことは犯罪なのか?」といった怒りの投稿がツイッターにあふれ、イラン当局に非難が集中。一方、イランでは、保守穏健派のハサン・ロウハニ大統領(65)が自身のツイッターで「幸福は人々の権利である」と取り締まりの行き過ぎを示唆した。イスラム革命以来、宿敵とみてきた米国文化への嫌悪が根強い半面、開かれた社会を目指す動きも広がるイラン国内の二律背反がヒット曲の投稿動画をめぐって浮き彫りになっている。
「公共道徳に反する」
問題の動画は、男性3人とベールを着用していない女性3人が、テヘラン市内の街頭や建物の屋上で「ハッピー」に合わせて楽しげに歌い踊る内容。今年3月に投稿され、約16万5000回視聴されるなど大きな反響を集めた。