アジアカップを授与され高々と掲げる主将の宮間あや。後ろは左から川澄奈穂美、岩清水梓(あずさ)、澤穂稀(ほまれ)=2014年5月25日、ベトナム・ホーチミン(共同)【拡大】
いまや澤も、「あやについて行く」と話している。
≪弾ける笑顔 「男子W杯の弾みに」≫
笑顔の写真はいい。どの顔も本当にうれしそうだ。厳しい日程の中で戦い取ったアジアのタイトルだ。選手らには、存分に喜びに浸ってほしい。
ただ、今大会では課題も浮き彫りになった。中央でカップを手にする宮間の後方はGKの山根恵里奈(23)だ。一段高い台上にいるのではなく、身長187センチ、本当に大きい。初戦の豪州戦ではゴールを守ったが2失点を喫し、決勝トーナメントでは前列左から2人目、ロンドン五輪の主戦GK福元美穂(30)に守護神を譲った。山根が正GKに定着すればゴール前の高さは大きな盾となるが、安定感は165センチの福元に及ばない。
前ページの記事に選手名が5人出てくる。宮間、澤、阪口、川澄、岩清水。いずれもW杯優勝時のレギュラーだ。5人だけではない。グループリーグだけの出場でイングランドに帰った大儀見優季(おおぎみ・ゆうき、26)は存在感の違いをみせつけた。前日の5月24日には仏リーグでリヨンが8連覇を飾ったが、そこにはDFでフル出場の熊谷紗希(さき、23)がいる。アジア杯の大会中、脆弱(ぜいじゃく)な右サイドの守りを攻められ続けたが、アーセナルの近賀(きんが)ゆかり(30)が合流すれば、ひとまず解消するだろう。