一方で、米国は過去に「軍事的な冒険」を強行し、高い代償を支払ってきたと述べ、直接の脅威がなければ同盟国や友好国との「集団行動」を取ると強調。中露の覇権主義が現実的脅威となった現状でも、軍事力をちらつかせてでも路線変更を迫ることに極めて慎重な「オバマ・ドクトリン」に変更がないことを改めて明確にした。
否めない踏み込み不足
演説では政策の方向性を示す大づかみな“観念論”が基調となったため、具体的な案件への踏み込み不足は否めなかった。
一度は「リセット」を宣言した対露関係や、言行不一致が批判されるシリアに関するレッドライン(越えてはならない一線)、成果が見えにくいアジア重視戦略、「核兵器なき世界」や北朝鮮の核問題。米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)の5月30日付社説は「演説で語られたことよりも、語られなかったことに考えが向かってしまう」と皮肉った。