消費者物価と雇用者報酬の推移(1997年~2013年)、※各年12月【拡大】
ウォール街のポートフォリオ戦略を考えると、日本株価の回復は海外市場、特にユーロ圏と新興国の経済、市場動向次第のように思える。ユーロ市場は小康状態を続けているが、危機の根が消えたわけではない。新興国市場全体の評価に大きく影響する中国の不動産バブルは北京の指令で崩壊を免れているものの、崩壊不安はくすぶり続けている。輸出の不振や内需の伸び悩みを補ってきた不動産開発投資に代わる中国経済成長の牽引(けんいん)車が見当たらない状況だ。中国の実物経済を最もよく反映する鉄道貨物輸送量はこの1~3月期、前年同期比マイナス3.5%で不動産相場の下落に連動している。
欧州や新興国市場の先行きを考えると、ウォール街によって日本株が再評価されるチャンスは十分にあるはずだ。しかし、懸念されるのは4月からの消費税増税に伴う国内景気の下降圧力だ。総務省統計局によれば、4月の家計実収入は前年同期比で実質7.1%減、家計消費は6.9%減となった。消費増税前の駆け込み需要の反動減は1997年度の消費増税よりも大きいうえに、家計のフトコロ状態は急激に悪化している。ウォール街が日本の景気の先行きをどう判断するか、気になるところだ。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)