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【花緑の「世界はまるで落語」】(26) めちゃくちゃハードな前座時代 (2/5ページ)

2014.6.9 17:40

黒文字は落語家、朱文字は色ものさん…と、出番を手書きした楽屋張り。寄席って盛りだくさんでしょう?(柳家花緑さん撮影)

黒文字は落語家、朱文字は色ものさん…と、出番を手書きした楽屋張り。寄席って盛りだくさんでしょう?(柳家花緑さん撮影)【拡大】

  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ)、鬼〆(おにしめ)、花緑、初花(しょっぱな)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ)、(後列左から)圭花(けいか)、緑太(ろくた)、フラワー、緑君(ろっくん)、花いち(はないち)、まめ緑(まめろく)、花どん(はなどん、提供写真)
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ、3人目の弟子)、鬼〆(おにしめ、2人目の弟子)、花緑(師匠)、初花(しょっぱな、最初の弟子)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ、弟子ではなく一門に入門)、(後列左から)圭花(けいか、10人目の弟子)、緑太(ろくた、7人目の弟子)、フラワー(8人目の弟子)、緑君(ろっくん、4人目の弟子)、花いち(はないち、5人目の弟子)、まめ緑(まめろく、6人目の弟子(女性))、花どん(はなどん、9人目の弟子(花緑さんの弟子はこの時点で9人)=2012年7月7日現在
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)さん(ミー&ハー_コーポレーション提供)
  • 【本の話をしよう】「落語が教えてくれること」(柳家花緑著/講談社、1000円、提供写真)

 前座のころは、この5軒の寄席を10日間が終わると次の寄席、また次の寄席という感じに回っていました。それに昼席か夜席かで10日間、毎日の生活のリズムも変わります。

 つらくて辞める人も

 分かりやすく私の弟子の前座、柳家圭花(けいか)の2カ月を見てみましょう。

 4月上席は池袋の夜。4月中席は上野の夜。4月下席は上野の昼。5月上席は上野の夜。5月中席は新宿の夜。5月下席は浅草の夜。2カ月間、4月21~30日以外はすべて夜席でした。これもたまたまのこと。ずっと昼席が続くこともある。

 昼席は午前11時から午後5時。夜席は午後4時から午後9時までが前座の拘束時間で、そのさなか地方や都内のホール落語会を頼まれて仕事に行く前座もいて、その穴埋めを前座同士が「ちょっと圭花さん、上野の夜席の前に浅草の昼席も代わりに行ってくれる?」と頼まれて昼夜で働いている光景は日常茶飯事である。これが3年以上続く。当然、つらくて辞めちゃう人もいる。

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