戦後、旧陸軍の敷地は千葉県血清研究所となった。赤レンガ建造物は破壊されることなく、生き延びた。2002(平成14)年、血清研究所閉鎖。戦争遺跡の存在は忘れ去られようとしたが、「赤レンガをいかす会」が光を当てた。
見学会で島田行信さん(73)と会った。元千葉県庁職員。昭和30年代、血清研究所に勤務していた。
「赤レンガ建造物は2棟あった。1棟は事務室。この建物は薬品などの倉庫として使っていましたよ」
島田さんといっしょに内部に入る。薄暗い階段を上る。2階。壁に古い貼り紙があった。「兵器掛」「使役兵」と記された文字が読める。
「ああ。昔のまま残っている。明治、大正、昭和、平成を目撃した歴史の生き証人ですよ」
老朽化が進む。窓は破れ、雨漏りが目立つ。このまま放置すれば、朽ち果ててしまうのではないか。なんとか保全を。そう願う。(塩塚保/SANKEI EXPRESS)
■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。