米軍はペルシャ湾に空母ジョージ・ブッシュやミサイル駆逐艦など6隻を展開、攻撃態勢を整えているが、空爆への慎重姿勢は鮮明だ。空爆は「攻撃目標を正確に定め、かつ効果を挙げる」(オバマ氏)ことが必要だが、米軍は2011年12月にイラクから完全撤退した後、情報の収集能力が衰えたといわれる。
不明な点が多い組織を相手に、情報が不十分なまま空爆すれば、一般住民に犠牲が出るだけだ。米軍が今も駐留するアフガニスタンでは、相次ぐ誤爆で一般住民の犠牲が拡大して反米感情が高まり、情勢が安定しない要因になっている。
イラク軍も情報収集で頼りにできそうにない。イラクで実戦経験のある元米軍将校は米紙に「イラク軍がもたらす現場の情報が、正確だったことはない」と語った。
「政治的に浪費」批判も
米国内ではオバマ政権の慎重姿勢に批判も噴出している。「イラクが過激派に乗っ取られようとしている時に地球温暖化対策の話をしている」。03年のイラク戦争を推進したチェイニー前副大統領は18日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿し、オバマ氏が「米国の退却」を世界的に進めたことで国際社会が混乱に陥ったと非難した。「米兵が大変な思いで勝ち取ったものを政治的に浪費している」(共和党のハンター下院議員)との声もある。