《我が国に対する武力攻撃がなくとも、他国に対する武力攻撃が発生、我が国の存立が脅かされ、国民の生命が根底から覆される虞(おそれ)があり得る。その場合、自衛措置として『武力行使』は許容されるべきだ》
ただ、集団的自衛権行使容認に当たり、公明党は憲法第9条との整合性を求めてきた。そこで自民党は《国際法上の根拠と憲法解釈は区別》。前記の《『武力行使』は、国際法上は集団的自衛権が根拠となる》と特記した。集団的自衛権行使容認と憲法問題を切り離し、公明党に「憲法上ではなく、国際法上行使を認めただけ」と、支持母体に都合良く言い訳できる余地を提供したのだ。
日豪協議に戻る。与党協議ばりの奇策を用いずとも、日豪間はかつて集団的自衛権でつながっていた。東郷と秋山のやりとりが浮かんだのは、記者発表第6項に目が移り、2014年の《アルバニー船団記念式典》に海上自衛隊艦艇が招かれる旨を認めたとき。式典では、第一次世界大戦(1914~18年)中、戦場へ向かう豪・ニュージーランド合同軍団(ANZAC)第一波を、帝國海軍の巡洋戦艦・伊吹が護衛して100年を祝う。大戦前の3カ月半ではあったが、伊吹2代目艦長が秋山だった。