三菱商事出身の新浪氏は、ローソンに三菱商事が出資した段階から経営再建を担い、02年に社長就任。海外出店の加速や農産物、医薬品の販売強化といった店舗展開の多角化で業績を急成長させた。佐治氏は「国際的な人脈も豊富で、グローバル展開を目指すサントリーにぴったりだ」と期待を寄せた。
一方、佐治氏は社内で後継者を十分に育てられなかったことについて「私の責任かもしれない。大きな案件は全部自分で決めていたから」と述べ、創業一族ならではのリーダーシップが人材育成の妨げになったと打ち明けた。
サントリーのグループ内では、創業者の鳥井信治郎氏のひ孫で、新浪氏より7歳若い鳥井信宏氏(48)が11年から飲料子会社サントリー食品インターナショナル社長を務める。佐治氏は「創業家で経営を続けられればベスト。(信宏氏が)うまく成長してほしい」と述べ、まだ経験が必要だと示唆した。新浪氏との二人三脚で“次のトップ”をどう育てていくかが、事業継承の新たな課題となる。(山沢義徳/SANKEI EXPRESS)