<ISISは、きわめて合理的に行動する。米国とイランが事実上の提携を始めれば、ISISは自分たちが殲滅(せんめつ)される可能性が高まったと考え、イラク以外の国家で策動を強める。現在、中東でもっとも「弱い環」となっているのがヨルダンだ。ヨルダン国王アブドラ2世の暗殺をISISやそれに連なる勢力は考えている。アブドラ2世が排除されるような事態が生じれば、ヨルダンは大混乱に陥る。そうなるとISISだけでなく、さまざまなイスラーム原理主義過激派が、ヨルダン国内に拠点を作ることになる。
このシナリオをイスラエルは最も恐れているので、今後、アブドラ2世の政権を維持することを最優先課題とするであろう>
ここで紹介した中東某国の専門家たちの見解を筆者は基本的に支持する。ただし、この専門家たちは、米国がイラクに軍事介入する可能性はないと考えているが、筆者はその可能性が排除されないとみている。