外食しようにもレストランはどこも満員。さりとて自宅にいても外がざわついて…。「お・も・て・な・し」の心ではひけをとらない鎌倉の住人にとっても、6月は試練の月だ。とりわけ御霊神社界隈(かいわい)は、春から放映されていた人気ドラマの舞台でもあり、人の集まり方が半端じゃない。
石段の向こうに海を望める成就院、江ノ電と御霊神社、そして長谷観音で有名な長谷寺。アジサイ名所が線でつながり、露座(ろざ)の大仏も近い。最後は砂浜で夕暮れの海。こんなにぜいたくな梅雨の散歩道は、確かにちょっとなさそうだ。
≪雨の降る町 似合う花≫
JR鎌倉駅の西口は改札口ひとつで江ノ電の鎌倉駅につながっている。ただし観光シーズンの休日になると、この連絡口は閉鎖されることが多い。あまりの人出に収拾がつかなくなってしまうからだ。
いったん駅前の広場に出て改札口に入り直す。「江ノ電は30分待ちです」と雑踏警備係の職員が拡声器で告げていた。そうか。12分間隔の電車を3本は待つ。しかも車内は通勤ラッシュ並み。うぇ~と驚くのはまだ早かった。