ことさら名所を訪ねなくても、この季節に町を歩けば、あちこちで、「あっ、いいね!」というアジサイスポットに遭遇できる。
鎌倉には6月の雨が似合うようだ。アジサイ以外にも、ハナショウブ、イワタバコ、キキョウなど雨に息づく花が多い。それぞれに楽しんでほしい。
月が変われば7月1日は由比ガ浜、材木座、腰越の3海水浴場の海開き。8月31日まで2カ月間の海水浴シーズンが始動する。昨年は一部の海水浴客の目に余る行為によって風紀の乱れが問題になった。その苦い経験から、鎌倉市は今年、海水浴場のマナー向上のための条例づくりを進め、海の家の組合もクラブ化禁止など厳しい自主規制ルールを定めて熱い夏に臨もうとしている。
人が集まる。それは鎌倉が魅力豊かな町であることの証明に他ならない。ただし、その結果として解決すべき問題もさまざまに起きる。訪れる人も、迎える人も、町の魅力を壊さないようにするにはどうしたらいいのかを考えたい。そんな思いもまた、アジサイの季節にはとりわけ強くなる。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:渡辺照明/SANKEI EXPRESS)