□映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」
誰もが羨(うらや)む、いわゆる「リア充」の筆頭格だろう。甘いマスクで世界中の女性ファンをとりこにしてきた天才バイオリニスト、デイヴィッド・ギャレット(33)の公私にわたる充実ぶりには舌を巻いた。情操教育を徹底させたドイツ人弁護士の父と、米国人プリマバレリーナの母の方針で、ギャレットはすでに4歳のときにバイオリンを手にし、10歳でハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団と共演、その他諸々の華麗なる経歴に、今度は映画俳優としてのキャリアも加えた。
こんな面白い人生はない
作品は、やはり天才バイオリニストとうたわれたイタリアのニコロ・パガニーニ(1782~1840年)のスキャンダラスな人生の軌跡を追ったドイツ映画「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」(バーナード・ローズ監督)。もともと映画作りに関心があり、6年ほど前に本作の映画化に動いたというギャレットは、製作総指揮、音楽、主演を担当した。演じることへの不安はみじんもなく、むしろ早く演じたくてワクワクしたそうだ。「こんな面白い人生を送ったバイオリニストはほかにいないでしょう。彼は後世の音楽家に多大な影響を与えたメンタリストでもあります。僕はずっと注目していました」