1830年、パガニーニ(ギャレット)はキャリアの絶頂にいた。ところが私生活といえば、不道徳きわまりないもので、毎晩のように女、酒、ギャンブルにのめり込み、マネジャーを買って出た謎の男、ウルバーニ(ジャレッド・ハリス)の手腕でどうにか、興行に穴をあけずにいた。そんなある日、まだ名声を手にしていない英国へ乗り込み、歌手を目指す娘、シャーロット(アンドレア・デック)と出会い、本当の愛を知る。だが、パガニーニが自分の手を離れることを恐れたウルバーニは…。
演技と演奏、それほど違いない
演技と演奏という表現行為の間に「それほど違いはない」と感じた。ギャレットは演奏行為の面白さについて、「ステージで演奏者たちは、楽譜に基づいて曲を表現しています。入念にリハーサルを繰り返して本番に臨みますが、実はしっかりと準備すれば、演奏中の瞬間、瞬間に自分らしさを自由に解き放つことができるようになるのも事実なのです。だからこそわれわれは徹底的に練習を繰り返すのです」と指摘した。演技の妙も同じ理屈らしい。