展示は大きく、3章に分かれる。第1章では、少年「トネット」(愛称)時代や無名のころのガウディを紹介。病弱だった少年が動植物の観察に明け暮れたことや、学費のためにアルバイトまでする若い姿を資料とともにたどる。
第2章では、建築家としての転機、支援者のアウゼビ・グエイ(グエル)との出会い、黄金期を振り返る。次々つくった代表作を模型やスケッチとともに紹介する。
第3章は、名声を得たガウディが、ほかの仕事を断って、集大成ともいえるサグラダ・ファミリアの建築に打ち込むようになった晩年を紹介。生きている間に完成しないことを知りながら、神に捧げるようにつくり続けたガウディ。そうした創造の姿勢からインスピレーションを得て、井上はガウディの宇宙観を表現するという。
展示場では、3面の大型スクリーンでガウディの建築物やスペインの風景などを放映。また、井上が描いた作品約40点を展示。そのうち絵が動くプロジェクション・マッピングもあり、楽しくムードを盛り上げる。
圧巻なのは、第3章に展示される和紙の大作。今年5月中旬、職人とともに自ら漉(す)いた越前和紙の大紙に現在、制作中で、展覧会での公開まで、内容はまったく分からない。1枚だけの和紙に1度だけ描く“真剣勝負”だ。