何も持たずに避難
「家が揺れ、ガラスが風で割れるのではないかと思った」。那覇市の清掃員の女性(54)は恐怖を感じ、パートの次女(19)ら家族と昼ごろ、何も持たずにタクシーで避難所となった市の保健所に来た。
那覇市の住宅街では、倒れた家屋が道路を完全にふさぎ、むきだしになった材木が飛ばされないようにロープで固定されていた。街路樹がいたるところでなぎ倒されていた。
宮古島も猛烈な風雨が吹きつけた。「おおばり農園」の下地久子さん(62)は「マンゴーはまだ1割しか収穫していない」と嘆く。7日は普段より多めに収穫したが、航空便は欠航したため冷房の効いた集荷場に保管、農園の防風ネットも二重にした。「台風通過まで何とか鮮度が落ちないように」と声を落とした。
収穫前のマンゴーの様子を見に来た農家の男性(75)も「台風の規模を聞いて心臓が止まるかと思ったが、今のところそれほど被害はない。何とかこのまま通り過ぎてほしい」と話した。(SANKEI EXPRESS)