まずは筆ペンで夏のスタイル画と「書中お見舞い」の文字をいくつか書き、いいものを選んでレイアウト。それを見ながらはがきに筆ペンで清書します。完璧なレイアウトが決まっているので本番のはがきの上で迷うことはありません。筆ペンは、ぺんてるの顔料インクのものを使用しています。和のモチーフでなくても筆で書けばどんなものも和のテイストが出せるので不思議。絵が苦手な方は文字だけでもいいと思います。清少納言のように和歌を書いてみてもいいですよね。はがきに香をたいたりしてもすてきです。私は、最近お気に入りの香水をシュッと拭きかけてみようと思います。SNSのようにすばやいお返事はこないと思うけど、シンプルなはがきに少し手を加えて、ゆっくりしたコミュニケーションのほうが私には向いていると気づいた今年の初夏でした。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)
■ひらまつ・あきこ 1970年、愛知県生まれ。広告プロダクション退社後、フリーのイラストレーターに。ファニーでエレガントなイラストで人気を集め、現在は「GLOW」でコミックエッセーを連載中。「kate spade new york」日本公式ブロガー。水墨画や日舞をたしなみ、着物を愛好する。著書に「お洒落きものイズム」(グラフィック社)など。LINEのスタンプ「ラヴ&ゴージャス」が発売中。