国際金融秩序をめぐる構図=2014年7月15日現在、※(1)~(10)はIMF(国際通貨基金)への出資比率が高い順。カッコ内は世界のGDP(国内総生産)に占める割合。2013年版世界銀行報告書より【拡大】
資金需要
第二次大戦中の1944年7月、連合国は米ニューハンプシャー州ブレトンウッズで戦後の国際金融秩序を決める会議を開き、米国の覇権を決定づけた。しかし今の米国は、財政再建を求める議会の抵抗で、国際金融機関への追加出資は事実上封印している。途上国の資金需要にも対応できず、米政府高官は「中国に懸念を示すだけで、対抗することはできない」といら立ちを見せる。
国際金融機関も資金需要に対応できていない。アジア開発銀行(ADB)によると、20年までにアジアだけでインフラ開発に8兆ドル(約812兆円)の資金需要がある。しかし世銀グループの貸出残高は2689億ドル(13年6月末)、ADBはその5分の1程度だ。