しかし、現地の住民からは、ハッカニ派はテロ掃討作戦前に逃亡したとの証言が聞かれる。北西部カイバル・パクトゥンクワ州バンヌで避難生活を送る男性(35)は電話取材に「ハッカニ派は弾薬とともに作戦前にアフガンへこっそり逃げていった。ハッカニ派には一発の銃弾も当たっていない。これまで軍の賓客のような暮らしをしていた」と述べた。
ロイター通信も「ハッカニ派のメンバーが家族もろともいなくなったのは、彼らがここに住んでいる15年以上の間で初めてだ」との住民の話を伝えた。タリバン運動の指導者は掃討作戦前、ハッカニ派のメンバーと会い、アフガンでの避難場所の提供を求めたが、丁重に断られたという。
部族地域を取材する地元記者は電話取材に「アフガンのタリバンのメンバーはこの時期、アフガンでのテロのため、北ワジリスタンを離れている。軍事作戦はハッカニ派を標的にしていない」と分析し、「軍は、アフガンでテロを働くハッカニ派を戦略的に貴重な存在だと見なしており、関係を断つことはない。軍事作戦が終われば、多くのメンバーが戻ってくるはずだ」と話している。(ニューデリー支局 岩田智雄(いわた・ともお)/SANKEI EXPRESS)